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木造住宅の工法は、
軸組工法と枠組壁工法の主に2つです。
と思った方、あれです。
いわゆるツーバイフォー(2×4)工法です。
私も調べて初めて知りました。
以降は「2×4工法」としますね。
皆さんは住宅会社や工務店さんを選ぶ時に、
工法って意識されることありますか?
もちろん家の構造に関わることですから、
基本の「キ」ではあるんですけど、
「私は絶対、軸組工法の工務店さんじゃないとイヤ!」
「いーや、絶対2×4工法がいい!」
みたいな人って、どのくらいおられます?
・・・正直、あんまり聞いたことなくないです?
でも、工法によって結構できること、できないことがありますし、それぞれにメリット・デメリットがありますから、
どんな家づくりをしたいのか
ということを考えるきっかけとして、読んでいただければ嬉しいです。
- 今まさに工務店さんと打ち合わせをスタートされたあなた
- これから住宅会社を選ぶあなた
- 間取りを頑張って考えておられるあなた
には特に、参考にしていただけるとうれしいです。
それでは、いってみましょう!
軸組工法とは?
では、まずは軸組工法から。
この軸組工法というのは、在来工法とも呼ばれる工法です。
これは日本古来からの工法で、柱と梁で補強をしながら、家の骨組みをつくっていく工法です。
この工法ではまず柱を立てて、そこに梁を水平にわたしていき、筋交いで補強をしながら屋根を先につくっていく、という流れになります。
日本って高温多湿。梅雨の時期は雨が続きますよね。なので、まずは屋根を上げてしまってから、骨組みをつくっていく、という、
日本の気候・風土に合わせたつくり方なんですね。
ちなみに、神社とかお寺のような建物を建てる時に、
釘なんか使わない!みたいなのを聞いたことがありますが、
これは伝統工法って呼ばれます。
軸組工法は、木材同士の接合部分の木を加工した上で、補強金物を使って補強します。昔ながらの方法を生かしながら、今の時代にも合ったアレンジをしているんですね。
温故知新ってやつですね。
軸組工法のメリット
この工法のメリットは、
間取りの自由度が高い
ということが何よりのメリットではないでしょうか。
せやまさんの動画の間取り実例で紹介されているお家は、
軸組工法で建てられています。
「軸組工法」は、建物の中の空間に点を打って、その点と点を結ぶように柱を立てたり梁をわたしていくので、空間の大きさや形を、かなり自由に決めることができます。
例えば、間取り実例でもよくやられている、
天井を2600(2m60cm)にして開放感を出す!
その代わり2階は2200(2m20cm)にしてコスト調整!
というように、天井の高さも結構自由に決められます。
また、大きな開口部を取ることもできますから、リビングにこんな大きな窓をとれるんですね。
(出典:YouTube「家づくり せやま大学」)
耐震強度の構造計算の関係で、耐力壁を確保しないといけない場合は、多少壁の位置や大きさなどが決まってしまう、という制限がかかることがあるかと思いますが、間取りの自由度が高いというのはとてもメリットが高いですね。
あとは、リフォームがしやすいということもメリットです。
建てる時に間取りの自由度が高い、ということは、
仕切られた壁をぶち抜いて、大きい空間にする!ということを、建てた後からでもやりやすいんですね。
昔、ゴールデンタイムでやってましたよね。
匠!みたいなの。
余談ですが、あの番組BSで今もやってますけど、すし子さん(妻)の実家でよく夕方に見てました。
なんかずーっと見ちゃうんですよね・・・。
その番組でも、解体するところから見せてもらいますけど、だいたいが柱と梁だけになっていて、屋根はついている、みたいな骨組みが出てきませんか?
そうです、あれです。あれは軸組工法で建てられているから、壁をぶち抜いてもちゃんと家が建っているんですね。
ただ、メリットがあればやっぱりデメリットもあります。
軸組工法のデメリット
それは、
職人の腕によって出来が左右される可能性がある!
ということです。
木材などは最近は工場で規格化されていることが多く、材料の質は一定の安定性があるようですが、それを使用する職人さんの経験や技術によって、
家の質にバラツキがでる可能性があるんですね。
あとは、耐火性とか耐震性が2×4工法に比べると劣るとか、工期が長くなりやすいとか言われています。
でもこれらはそこまで気にしなくてよいかと、個人的には思います。
耐震性は、構造計算や許容応力度計算をされるのであれば、工法の違いで大きく変わるとも思いませんし、耐火性だって、最近は材料が不燃材を使用されていることが多いと思うので、このあたりは特段気にすることはないかな、とは思いますね。
2×4工法とは?
一方、ツーバイフォー工法(枠組壁工法)について。
この工法は、2インチ×4インチ(約50cm×100cm)の木材で、まず枠組をつくり、そこに構造用の面材をくっつけて作ったパネルで、家を組み立てていくという、北米から伝わってきた工法です。
まずは1階部分の床・壁をつくり、次に2階の床と壁をつくった後、最後に屋根、という順番で建てられていきます。
という疑問も出てきますよね。
もちろん、雨対策をされているかは確認したいところです。
ですが、きちんと対策をされているようでしたら、そこまで問題ではないかなと思います。
ちなみに、せやま印工務店@滋賀は、こちらの工法になります。
と思われた方。鋭い!
半分正解ですが、
全部NGということではありません。
我が家もこちらの「せやまどり」を参考・・・というかほぼそのまんまの間取りをつくりました。
(出典:YouTube「家づくり せやま大学」)
確かに、さっきみたいな大開口の窓!みたいなのは、残念ながら難しいかもしれません。
耐力壁を確保するために、窓の大きさには制限がかかります。特に許容応力度計算をして耐震強度3を取ろうと思えばなおさらですね。
あとは、天井を上げるときには、通常よりも高さが高いパネルを使うことで可能になりますが、天井の高さを通常よりも下げたとしても、残念ながらコストダウンにはなりません。
標準仕様の高さは2400(2m40cm)。ここから下がり壁を作ることになりますから、むしろ追加費用がかかることになるかもしれません。
なので、わざわざ下げることはしないほうがいいと思いますね。
このように、2×4工法では柱ではなく壁、つまり
パネルを組み合わせて建てていくので、どうしても間取りや開口、高さなどに制限が出てしまいます。
軸組工法との大きな差はここだと思います。
ここが大きなデメリットとして挙げられるところですね。
だから、間取りであったり窓の選び方であったり、
いろいろと自由にならないこともある、ということは、事前に知っておかれる方が後々ストレスなく打ち合わせを進められると思います。
我が家もそんな制限があるんか!と思うことがありましたし、予算の関係で天井の高さを変えることができなかったのですが、間取りとしては結果的におおむねやりたいような形にできたかと思いますので、またあらためて、ご紹介していきますね。
2×4工法のメリット
ただ、先ほどの「軸組工法」とは反対に、
家の品質が担保されやすい
というメリットがあります。
パネルはある程度規格化されたものになりますから、工法がマニュアル化しやすく、
安定した質の建物が建てられるということです。
あとは、
気密性や耐震性、防火性が確保しやすい
というのもメリットだといわれています。
軸組工法では筋交いで柱や梁を補強しますが、
2×4工法では、パネルで家を支える構造です。
筋交いが配置できる場所というのは限られるんですが、パネル、つまり面材は外周の前面や窓などの周囲にも施工されるため、
面で揺れを受け止められる分、大きな力に耐えることができます。
火に対する耐性も、パネル全体で火を受け止めますから燃え広がりにくい、という特長があります。
気密性については、パネル同士の接着場所が少なくなって隙間が開きにくい、という理由で確保しやすいそうです。
もちろん、2×4工法だから気密・耐震・防火が確保できる!と安易に考えてはいけないかと思いますが、一般的にはそのように言われています。
せやま印工務店@滋賀でも、このあたりの建物品質についてはこだわりをもっておられるようですね。
UA値とC値については「せやま基準」以上の水準を設けておられます。
ということで、まとめいきます。
<h2>まとめ</h2>
軸組工法のメリット
- 間取りの自由度が高い
- 開口を大きくとれる
- 将来的にリフォームしやすい
軸組工法のデメリット
- 職人の技術や経験によって家の品質が左右される可能性がある
- 2×4工法に比べて耐火性・耐震性が劣ることがある
- 工期が長くなりやすい
2×4工法のメリット
- 家の品質が担保されやすい
- 気密性や耐震性、防火性を高くしやすい
2×4工法のデメリット
- 軸組工法と比べると間取りには制限がかかる
間取りは家づくりをする中で本当に大事ですよね。
なので、住宅会社や工務店さんを選ぶ時に、ご自分の希望のおうちづくりにあった工法をされているかどうかということもチェックしていただき、後悔のない選択をしていただけたらと思います!
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